催眠療法について |
●催眠とは
起きている状態と眠っている状態の中間(リラックスして何も考えずに、ボーッとしている状態に似ている状態)を、自分または他者の誘導で人工的に作り出した睡眠に似た状態です。心と体の緊張を除き、批判や抵抗の思いを無くして、素直に集中できる状態になることです。そうすれば、暗示にかかりやすい状態に入ることができます。そして、睡眠状態と違い、催眠状態においては簡単に暗示を受け入れることが出来ます。
他者から催眠状態に導かれ、暗示を与えてもらう“他者催眠”と、自分で催眠状態に導き、自己暗示を与える“自己催眠”があります。 催眠療法・催眠術の場合は“他者催眠”になります。
★催眠状態には誰でも入ることができます。
●催眠療法と催眠術の違い |
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●「催眠療法は催眠術のようなものですか?」 「催眠術のようで不安なのですが?」と、いう方がいらっしゃいます。
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催眠術とは、催眠状態と想像力を利用することに関しては同じですが、受ける側の意思とは無関係に、
受ける側の意識レベルを術者の命令に逆らえない意識の状態にまで誘導した上で、術者の命令と個人
の想像力を利用するものです。
*術者の誘導で催眠状態に入り、術者の命令に逆らわず従うことです。
*受ける側の意思や判断とは無関係に、術者の命令が受ける側に現象として現れるのが、
催眠術です。
・・・たとえば・・・
●術者の命令で・・・意識の力が弱くなって、術者の命令・指示に従ってしまう。
●術者の命令で・・・身体の自由が利かない。
●術者の命令で・・・知らないうちに、カエルになって跳んだり、鳴いたりしてしまう。
・・・・このように、催眠術は、催眠状態の中で、術者の命令に従ってしまう「催眠ショー」のように、
一時的で娯楽的なものです。
★催眠術には催眠術に掛かり易い人、掛からない人がいます。
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●催眠療法は、心理的問題の改善を目的とした心理療法の技法の一つです。
催眠状態で、人間の想像力を利用して無意識(潜在意識)に焦点をあてながら、個人が持つ悩みや症状を改善したいという希望、私はこうなりたいという願望に合わせて、施術者が様々な言葉による誘導や問いかけをおこないます。それによって、受ける側は自由イメージを発生させ、本人の無意識(潜在意識)の中で、自分自身を客観的に見つめ直したり、気づいて無かったことに気づいたりできます。そのうえで心理的問題を改善の方向へ導くものです。つまり、催眠療法を受ける側の想像力が主体となって素直な気持ちになり、改善の為の暗示を受け入れることになります。
催眠状態においては、受ける側のご自身には意識があります。またご自身の判断力もあります。いかに素直な気持ちで、暗示を受け入れられるかは、施術者とクライアントの信頼関係が大きな要素となってきます。
つまり、催眠療法とは信頼関係に基づいた施術者の誘導による催眠状態の中で・・・、
@リラックスして心の平静をつくりだすこと・・、・
Aクライアント本人が思い浮かべるイメージをもとにして、物の見方や、感じ方、考え方の修正や改善をおこなうこと・・・、
B暗示を受け入れやすい状態で、望む方向への暗示を受け入れることになります。
・・・たとえば・・・
●ストレスや不安で夜も眠れない・・・私は、この状況を改善したい。
●悩み事が頭から離れず、何も手に付かない・・・私は、気分の転換をしたい。
●過去のトラウマに、今も悩まされている・・・私は、この状況から抜け出したい。
●意思が弱くダイエットが続かない・・・私は、強い意志で、ダイエットに成功したい。
★このような、事前に分かっている、原因と希望する内容はあらかじめカウンセリングでお伺いした上で、催眠状態へと
誘導して行くのが一般的な方法です。
★催眠状態で、原因を見つめ直すことが根本的な解決には有効となります。
★催眠状態で、クライアントの希望する内容に基づいた暗示で改善を導きます。
このように、催眠療法は、心の問題の「根本原因の解決」と、「改善した状態を得る」という二つの要素を目的とします。
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・・・それでは・・・
★ 催眠術で、短時間のうちに希望する心理的な問題や悩みの解決・改善が得られるかという
と、・・・
そうはいきません。
催眠術はあくまで、術者の指示・命令に従うだけですから、短期的な変化しか得ることはできないのです。
催眠術から覚めたら、元に戻ってしまうか、もしくは短期間で元に戻ってしまうのです。
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●催眠療法の効果 |
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催眠療法は、その特性から、感覚・思考方法の改善、性格の改善、能力の開発、悪癖の改善に効果が認められます。
神経科、心療内科での自律訓練法や、産婦人科での無痛分娩法、歯科での無痛抜歯にも使用されています。
それに、身体の不調に現れる症状の原因が心因性のものであることも多いものです。「病は気から」とは昔から言われてきた言葉です。悩みや心配、ストレス、不安や不満・・・心因性疾患の原因となる要素は日常にあふれています。近年このような心因性の疾患や症状のために、「心療内科」へ通院する患者さんが多くなってきています。しかし、心療内科でお一人の患者さんに対する診察時間では根本的な原因の解決は難しいものがあります。やはり投薬による対症療法が主になっています。
このように、症状を抑える対症療法の投薬による薬物治療だけでは、心因性の問題の根本的な原因の解消が困難だということ、また、薬剤の治療では、副作用の心配、薬依存の可能性もあります。それらが心理療法の必要性、催眠療法の効力を活用する理由になっています。そして催眠療法は人体に害が無く安全なことも、それがいろいろな場面で活用されている理由といえます。
・・・たとえば、このような場合には、お薬と同時に心理療法・催眠療法が有効です・・・
●うつ病で投薬治療を長い期間続けているけど、お薬に依存している現状で、根本的な治療が出来てない。
●毎晩睡眠薬を飲んで、何とか眠りについているが、眠れない原因が解らない。
●肩こりがひどく、病院ではストレスが原因と言われた。しかし、ストレスの原因は日常的に起きている。
・・・たとえば、このような場合には、心理療法・催眠療法が有効です・・・感覚・思考方法の改善、性格の改善・・・
●対人恐怖症かもしれない・・・本当は明るく人に接したいと思っているのに、改善する方法があるのだろうか。
●人前に立つと赤面症で汗が出て困っている。何とか改善したいのだが。
・・・このような場合にも、催眠療法は有効です・・・能力の開発、悪癖の改善・・・
●技術的なイメージトレーニングは活用出来ているが、本番の試合で、自分の実力を発揮できたことがない。
●受験が迫っているのに、気持ちばかりが焦って、勉強に集中できない。
●チック症の症状が最近ひどくなってきて困っている、チック症は治らないのか。
●私の子供は、爪噛み・チック症・夜尿症の癖が治せない。
●催眠療法の回数や期間について

●催眠療法の効果は1回の施術で効果が現れる場合があります。ただ催眠状態の暗示が本人の無意識に定着するのには
回数を重ねる方が安定します。また、回数を重ねることで、催眠療法に重要な信頼感が増すことから、より根本的な原因
を探すことや、改善された効果を安定させられるようになります。必要な期間には、個人差があるようですが、週に1回の
ペースで、1ケ月間〜3ケ月間を目安にしています。ご本人が改善した状態を安心できるようになれば良いと思います。
もちろん、必要に応じて再開したり、心のメンテナンスとして催眠療法を受けられる方もあります。 |
●催眠療法の活用について |
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●催眠療法はカウンセリングを基に、相談した上で早期の改善に催眠療法が適している場合に行うことになります。
即座に催眠療法のみを行うことはありません。
●心因性の悩みや問題であれば催眠療法は有効です。
●被暗示性(催眠状態に入りやすい人と、入りにくい人)
催眠療法が誰にでも向いているかというと、そうではありません。催眠状態に入りにくい人がいらっしゃいます。
前にも述べましたように、催眠状態には信頼関係が重要な要素になります。疑い深い性格の方が催眠状態に入りにくいの
はその理由からです。施術者を信頼して、心身ともにリラックスことが必要となります。
●適応年齢(子供から老人まで)
催眠へは言葉で誘導することになります。絵本の読み聞かせで内容が理解できるお子様なら催眠療法は可能です。
誘導への言葉使いや、内容は療法を受ける人に解りやすいように考慮されています。
特に、小さなお子様の心因性によって出る症状には催眠療法は効果があります。
●不適応なケース
*精神疾患・人格障害がある場合
*本人の意思に反する場合 |
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●催眠療法の進め方 |
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●それぞれの催眠療法士によって、進め方や技法は様々です
ここでは「心クリニック」が行っている催眠療法の進め方を紹介します。
1、あらかじめカウンセリングを必ず行います。
2、被暗示性のチェックをさせていただきます。
3、リラックスの準備をします。BGM、空気、香り、温度を五感を使って心地良く味わってもらいます。
4、ゆったりとした深い呼吸に集中していただきながら、呼吸法の誘導をいたします。
全身のリラックスの練習をします。
5、言葉のにより、催眠状態へ誘導してゆきます。とても心地のよい感覚に包まれます。
6、さらに深いトランス状態へと、導きます。 
7、無意識の入り口へと辿りつきます。
8、無意識に向かい合い、自分のイメージに任せて想像を続けると、
今の自分が抱えている問題の原因と解決方法が自ずと浮かび上がってきます。
*意識もはっきりしていますので、まるで現実場面で問題解決をしていくような、
リアルなイメージを描いていきます。
催眠状態の中で希望する変化を体験することで、より明確な目標も見えてきます。
9、またトラウマのような、自分ではどうしようもないくらい深い心の傷も、このトランス状態を利用すれば何事も無かったかの
ように、傷ついた心を癒すことが可能なのです。
10、本人のイメージの状態や心の状態を確認しながら、催眠状態からの目覚めを誘導します。
*催眠状態から目覚めたら、スッキリとした気分と催眠中の良いイメージが残ります。
*所要時間は60分〜90分となります。
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●催眠療法の内容は、すべて個人別にオリジナルな内容で行います。 |
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●催眠療法を行う事前に、必ずカウンセリングを行います。
個人々の悩みや、状況、催眠の目的は、個人々で異なっています。
また、個人々での被暗示性の度合いも異なっています。
「言葉」による催眠への誘導部分以降は、「個別な心」への問いかけになります。
●カウンセリングを基に、個人の状況や、要望をお聞きして、個人別のオリジナルな催眠内容を組立ててゆきます。
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●もっと催眠療法を知りたい方は・・・(参考資料へのリンクからどうぞ) |
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★参考資料 (さらに詳しく調べてみたい方は、下の外部リンクもご覧ください)
●催眠療法(百科事典)
●催眠療法(ウキペディア)
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